構造設計の基本 ものが壊れるとは

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構造設計を始める前に、まずはものがどうやって壊れるかを知ることが重要です。壊れ方のイメージができるようにしていきましょう

どうやったら壊れるか

ものはどうやったら壊れるでしょうか。

投げる
落とす
ぶつける
たたく
引っ張る
曲げる
ねじる
引き裂く
加熱する

壊れ方の違いは

壊れ方にも違いがあります。

壊れる原因壊れ方
投げるバラバラ、こなごな
落とすバラバラ、つぶれる、割れる
ぶつけるへこむ、つぶれる、割れる
たたくへこむ、つぶれる、割れる
引っ張るちぎれる、伸びる
曲げるゆがむ、折れる、曲がったところが割れる
ねじるらせん状になる
引き裂くちぎれる
加熱する溶ける

力(荷重)の種類

作用している荷重は壊れ方と関係があります。

壊れる原因壊れ方荷重の種類
投げるバラバラ、こなごな衝撃荷重
落とすバラバラ、つぶれる、割れる衝撃荷重
ぶつけるへこむ、つぶれる、割れる衝撃荷重
たたくへこむ、つぶれる、割れる圧縮荷重
引っ張るちぎれる、伸びる引張荷重
曲げるゆがむ、折れる、曲がったところが割れる曲げ荷重
ねじるらせん状になるねじり荷重
引き裂くちぎれるせん断荷重
加熱する溶ける熱荷重

壊れるまでに至る種類

1回の荷重で壊れることを一発破断といいます。

荷重が繰り返し作用して壊れることを疲労といいます。

損傷モードと荷重の関係まとめ

壊れ方には大きくわけて2種類があります。

1回の荷重で壊れる⇒一発破断
荷重が繰り返し作用して壊れる⇒疲労

損傷モード荷重の状態注意点
一発破断延性(えんせい)破壊引張荷重伸びる材料により発生
脆性(ぜいせい)破壊引張荷重脆い(伸びない)材料で発生
座屈圧縮荷重ねじりや曲げでも発生する
衝撃破壊衝撃荷重
疲労低サイクル疲労破壊中程度の荷重が繰り返し
高サイクル疲労破壊小さい荷重が無限回繰り返し振動により発生する
クリープ破壊高温で小さい荷重が繰り返しクリープ温度が材料で異なる

破壊の様子

引張りによる破断

曲げによる破断

せん断による破断

脆性破壊

ガラスやセラミックなど伸びない材料が変形せずに粉々になる現象で、瞬間的に破壊すること

低サイクル疲労

塑性変形を与えるような大きな繰り返し荷重を作用させた場合、10,000 cycle 以下の繰り返し数で疲労破壊すること

高サイクル疲労

降伏応力より低い繰り返し荷重を作用させた場合に疲労破壊すること(疲労という場合は、寿命の長い高サイクル疲労を指す場合が多い)

クリープ

高温下の状況で物体に一定の荷重を加え続けていると、時間とともに物体が変形していく現象のこと

クリープ(creep)は「這う」「忍び寄る」という意味で、オートマ車でブレーキをはなすと、ゆっくり勝手に動き出すクリープ現象と同じです。

ちなみにコーヒーに入れるパウダーはクリーミング(creaming)パウダー(powder)から、CREAming PowderでCREAPになったそうです。

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