機械設計技術者試験 2級を取得するには

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機械設計技術者試験 2級の攻略法を伝授します!

 

機械設計技術者試験とは

日本機械設計工業会が行っている機械設計技術者の技術力を認定している試験です。
試験は3級、2級、1級とあり、1級が最も難易度が高いです。国家資格ではありませんが、設計技術者からの認知度は高く、技術士取得を目指すためのステップとしても非常に有効です。

機械設計技術者試験 2級の概要

2級試験の概要

基本設計に基づき、機械及び装置の機能・構造・機構等の具体化を図る計画設計業務を行なえる能力に達した技術者を対象とした試験です。材料力学、機械力学、熱力学、流体力学の4力学に加え、機械要素や製図知識、加工方法や総合的な応用知識が問われます。

【重要】直近の変更点

  1. 令和3年度から2級の試験科目が改定されました。
    科目間でまたがる分野での出題を可能とし、応用力を求められる2級応募者にふさわしい問題を出題する形式になりました。ただし問題の難易度は従来の2級レベルと変わることはないようです
  2. 受験申請手続き方法が、令和3年度から変更になっており、受験申請時に顔写真(デジタルデータ)を用意することになっています。今までは受験票が申込者の手元に届いてから、さらに写真票提出が必要で手間がかかり、提出漏れによる受験できない事態があったためです。

受験資格

下の表に示す実務経験年数を、受験する翌年の3月末日時点で満たす必要があります。例えば、令和4年度に受験する場合は、令和5年の3月末日に満たす予定であれば受験可能です。

すでに3級に合格されている方の場合は、直接受験より1年短い実務年数で済みます。3級取得後という意味ではなく、トータルの実務経験年数でカウントします。

受験資格 最終学歴 直接受験 3級合格者
工学系 大学(院)・高専専攻科・高度専門士・職業能力開発大学校(旧職業訓練大学校) 3年 2年
短大・高専・専門学校・職業能力開発短期大学(旧職業訓練短期大学校)・「職業能力開発校(旧職業訓練校)(高校卒業後、2年制)」 5年 4年
その他(上記以外) 7年 6年

試験日程

実施日 令和4年 11月20日(日)(3級、1級も同様)

◎受験申請受付期間(予定)
令和4年 7月20日(水)~ 9月30日(金)締切

◎入金期限
令和4年 10月7
日(金)締切

インターネットから出願と試験料の払込ができます。

受験料

受験料は 22,000円 です。

試験の形式

試験はマークシート方式と記述方式で行います。

試験時間と出題科目

第1時限
9:30~11:40
機械設計分野
熱・流体分野
メカトロニクス分野
原則マークシート方式、一部記述式となる場合あり。
第2時限
12:40~14:40
力学分野
材料・加工分野
環境・安全分野
原則マークシート方式、一部記述式となる場合あり。
第3時限
15:00~16:30
応用・総合
記述式解答方式

科目 ①機械設計分野:機構学、機械要素設計、機械製図、関連問題
②力学分野:機械力学、材料力学、関連問題
③熱・流体分野:熱工学、流体工学、関連問題
④材料・加工分野:工業材料、工作法、関連問題
⑤メカトロニクス分野:制御工学、デジタル制御、RPA、自動化技術、他
⑥環境・安全分野・・・名称変更のみ(令和2年度までと同様)
⑦応用・総合・・・従来通り、記述式問題(令和2年度までと同様)

出題範囲

機械工学基礎に加えて、応用力・総合力を問われます。環境や安全に関する内容も出題されます。

  • 機械工学基礎(3級の出題範囲と同じ)
    機構学、機械要素、材料力学、機械力学、流体工学、熱工学、制御工学、工業材料、工作法、機械製図の10科目
  • 機械工学基礎の設計への応用・総合
  • 環境・安全の知識

試験レベル

(3/5)

実務を行う社会人に限られるため、勉強時間を十分に確保する必要がありますが、しっかり対策をすれば合格することができます。3年程度の実務経験と勉強対策ができれば、一発合格可能です。

勉強時間

だいたい3ヶ月で400時間くらいを目安にすると良いと思います。

出題範囲が幅広いため、最初の1ヶ月は知識の定着を図り、2ヶ月目は繰り返し過去問を行い、3ヶ月目に仕上げとして暗記科目も実施するなど、ある程度段階的に進めるほうが効率的です。
平日は仕事をしながら勉強時間を確保する必要がありますが、量より質を意識して1時間で集中し、翌日に記憶が残っているか確認してみましょう。

勉強法

出題の内容を把握する

まずは過去問を5年分ほど用意して、問題の出題範囲と内容の把握を目的として一度解いてみます。このときは正解率や時間は全く気にする必要はありません。得意分野と不得意分野を把握出来たら、今後の勉強方針を決めていきましょう。

大きく分けて、暗記する科目と、計算式を使って解く科目に分かれます。暗記科目は、機構学、機械要素設計、工作法、機械製図、制御工学、工業材料、メカトロニクス分野が挙げられます。
計算などで解き方を考える科目は、機械力学、材料力学、流体工学、熱工学となります。

3級を受けている方は、過去問の反復が効果的です。
始めて試験にチャレンジする方も、まずは過去問を用意して、問題の出題範囲と内容の把握をするために一度解いてみます。得意分野と不得意分野を把握出来たら、今後の勉強方針を決めていきましょう。 この方法は3級で実施した内容と同様ですので、ぜひご覧ください。
ただし、3級と比べると問われる難易度が上がるため、主要な計算式は網羅的にまとめ、暗記しておきましょう。
また、 応用・総合問題は記述式ですが、過去問を複数年分行えばある程度似たような問題が出題されます。

勉強の作戦を考える

次に勉強法ですが、まずは機械設計分野の歯車計算、熱・流体分野、力学分野から始めて、材料・加工分野などの暗記科目は後回しにしたほうがよいです。
自分自身の経験から、考え方のプロセスが重要な科目や計算式を用いた科目は序盤に勉強を始め、用語を暗記する科目は全体像を整理することをすると効率的です。全体像を整理とは、参考書に付箋を貼るなど、ざっとボリューム感がわかる程度にします。
細かく暗記することをしても時間が経つにつれて忘れていってしまい、モチベーションが低下しやすいためです。記憶は反復すれば短期間で覚えられますが、さらっと読んだだけの短期記憶の状態では、24時間で74%を忘れるのだそうです。 先に暗記科目をやって、「いざ試験日直前に見直したら記憶に残っていない」と、諦めたい気持ちになります。極論ですが、暗記科目は一夜漬けだろうと試験当日に記憶に残ってさえいればいいのです。

具体的な方法とは

やはり過去問を解くことが合格への近道になります。おすすめは過去問5年分を3回転することです。3年分だとやや心もとなく、傾向が掴める5年分をしっかりと取り組むことをおすすめします。(それ以上の過去7年分などを実施することは特に問題ありません)
この場合ですと基礎的な10科目を、1科目あたり2時間×10科目×5年分×3回として、トータル300時間 + 応用問題3問×2時間×5年分×3回としてトータル90時間となり、合計で390時間が必要です。実際は2回目以降は習熟度により変化しますが、目安としてください。

おすすめの参考書

問題集

まずは過去問題集を用意しましょう。過去問と正答は過去の試験問題情報でも確認できますが、解き方の解説があったほうが良いかと思います。
紹介する問題集は1級から3級までの問題と解答を1年分まとめたものです。2級を受験する際は直近5年分の過去問対策する必要があり、費用は掛かりますがいずれ1級にチャレンジするときにも役立てることができます。

 

  • 書籍名 : 令和3年版 機械設計技術者試験問題集
  • 発行元 : 株式会社日本理工出版会
  • 本体価格 : 2,970円(税込)

 

  • 書籍名 : 令和2年版 機械設計技術者試験問題集
  • 発行元 : 株式会社日本理工出版会
  • 本体価格 : 2,970円(税込)

 

  • 書籍名 : 令和元年版 機械設計技術者試験問題集
  • 発行元 : 株式会社日本理工出版会
  • 本体価格 : 2,970円(税込)

 

  • 書籍名 : 平成30年版 機械設計技術者試験問題集
  • 発行元 : 株式会社日本理工出版会
  • 本体価格 : 2,970円(税込)

 

  • 書籍名 : 平成29年版 機械設計技術者試験問題集
  • 発行元 : 株式会社日本理工出版会
  • 本体価格 : 2,970円(税込)

 

テキスト

これ1冊あれば、試験範囲の科目が一通り勉強できます。
特にお金を掛けず、まずはこのテキストで勉強し、さらに科目ごとに参考書が必要な場合は以下を参考にしてください。

  • 書籍名 : 機械設計技術者試験準拠 機械設計技術者のための基礎知識
  • 発行元 : 株式会社日本理工出版会
  • 本体価格 : 3,960円(税込)

製図の参考書

製図関連でおすすめの参考書です。業務で製図を行う際にも役に立つ内容で、一生もので大切にしています。基本を身に付けるには上を使用します。幾何公差を深く理解するには、下のLEVEL2が最適です。

  • 書籍名 : 図面って、どない描くねん!第2版 現場設計者が教えるはじめての機械製図
  • 発行元 : 株式会社日刊工業新聞社
  • 本体価格 : 2,420円(税込)

  • 書籍名 : 図面って、どない描くねん! LEVEL2(第2版) 現場設計者が教えるはじめての機械製図
  • 発行元 : 株式会社日刊工業新聞社
  • 本体価格 : 2,420円(税込)

工業力学の参考書

工業力学の基礎から、2級に必要な範囲を網羅しており、問題の反復にも役に立ちます。読みやすく分かりやすい参考書です。

  • 書籍名 : 工業力学入門(第3版)
  • 発行元 : 森北出版株式会社
  • 本体価格 : 2,860円(税込)

材料力学の参考書

ビジュアルで理解して、問題に対する詳細な解答があり、万人の好みにあった参考書だと思います。この手の本は昔から改訂されず、古めかしいものも多いですが、 この参考書は図を多く用いた読みやすい内容です。

  • 書籍名 : やさしく学べる材料力学(第3版)
  • 発行元 : 森北出版株式会社
  • 本体価格 : 2,860円(税込)

【超重要】 試験攻略法 テスト当日の受け方のコツ

試験が始まったら、問題を見る前に主要な計算式を全部、忘れないうちに書き出しましょう。 そして、1問目から解き始めるのではなく、必ず全ページをざっと目を通し、どんな問題が出題されているかを確認しましょう。
ここからは、計算科目の見直し時間も考慮して、時間が足りなくならないようペース配分に気をつけていきます。計算問題は(1)からの引き続きで、(4)まで連続する問題がありますが、途中で分からなくなったら、あまりこだわり過ぎずに次の問題に移りましょう。バネの振動の式を答えるような問題は、式が完璧には分かっていなくても、分子分母の関係から絞り込むことができます。記述式の問題も順番に答えを導き出す問題ですが、特別の対策はいりません。焦らず問題をよく読んで、与えられている問題の条件を間違えないようにしていけば、難易度はそこまで難しくありません。

試験の合格点は公表されていませんが、高くても6割くらいだと思います。ですので、満点を目指すわけでもなく、確実に点数の取れる問題をミスなく解答するようにしていきます。単純な計算間違いや、マークのミスなどの無いよう、最後の見直し時間は取るようにしましょう。

 

 無事合格すると

合格証書とライセンスカードが発行されます!

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