危険物取扱者試験 乙種6類の出題ポイント

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危険物取扱者試験 乙種第6類の出題のうち、重要と思うポイントをまとめていきます。

第6類はロケット燃料などの酸化性液体を取り扱うことができます。

第6類危険物に共通する特性

共通する性状

性質は酸化性の液体で自身は不燃性です。

  1. 比重は1より大きい。(水より重い)。
  2. 水に溶けやすい
  3. 水と激しく反応し、発熱するものがある。
  4. 無機化合物(炭素を含まない)である。
  5. 強酸化剤なので、有機化合物を酸化させ、発火させる場合がある。
  6. 腐食性があり、皮膚を侵す。蒸気は有害である。

貯蔵および取扱い上の注意

  1. 可燃物、有機物との接触を避ける。
  2. 容器は耐酸性とし、密栓して通風のよい冷暗所に貯蔵する。
    過酸化水素のみ密栓せず、容器に通気口を設ける。
  3. 火気、直射日光を避ける。
  4. 水との接触を避ける(水と反応するものがある)。
  5. 保護具を着用する(皮膚を腐食するおそれがある)。

消火の方法

  1. 燃焼物に適応する消火剤を用いる。
  2. 乾燥砂は有効である。
  3. 二酸化炭素、ハロゲン化物、粉末消火剤(炭酸水素塩類)は適応しないため、使用しない
  4. 流出した場合は乾燥砂をかけるか、中和剤で中和する。

出題ポイント

第6類の危険物は「過塩素酸、過酸化水素、硝酸、三ふっ化臭素、五ふっ化臭素、五ふっ化よう素」の6つしかありませんので、他の類と比べて少なく対策しやすいです。そのため、まず第6類にチャレンジし合格すれば、その他の類では、受験科目から「法令」と「物理及び化学」を省略し「危険物の性質」のみで受験することができます。

第6類は危険物の数が少ないため、同じ危険物について性状を問う問題と、貯蔵または取り扱いに関する問題が出題されます。消火方法も出題されますので、すべてをしっかり覚え対策しておくようにします。

第6類危険物の品名ごとの特徴

全部で4種の品名に分かれ、ハロゲン間化合物は3種まとめています。基本的な内容は以下の通りです。

過塩素酸 HClO4  比重1.77

  • 無色油状の液体。
  • 水に溶けやすいが、水と接触すると音を発して発熱する。
  • 空気中で強く発煙する。
  • 強力な酸化作用があり、有機物と接触すると発火または爆発の危険性がある。
  • 不燃性だが、加熱すると爆発する。
  • 火気、日光、可燃物などを避け、耐酸性の容器を密栓して通風のよい場所で貯蔵、取り扱いをする。
  • 消火方法は大量注水する。

1類の過塩素酸塩類(酸化性固体)と混同しないようにします。過塩素酸塩類は過塩素酸の水素Hが金属と置き換わった塩(酸の水素原子を金属イオンに置き換えたもの)です。

過酸化水素 H2O2  比重1.44

  • 無色油状の液体。
  • 水やアルコールに溶けるが、石油、ベンジンなどには溶けない
  • 強力な酸化作用があり、有機物や金属粉と接触すると発火または爆発の危険性がある。
  • 加熱、衝撃、摩擦などによって発火または爆発の危険性がある。
  • 熱または日光により分解し、酸素を発生して水になる。
  • 尿酸やりん酸が安定剤として用いられる。
  • 火気、日光、可燃物などを避け、耐酸性の容器を密栓せずに、通風のよい場所で貯蔵、取り扱いをする。
  • 消火方法は大量注水する。

過酸化水素は密栓せずに通気させて貯蔵するという内容が頻出問題です。

硝酸 HNO3  比重1.50以上

  • 無色または黄褐色の液体。
  • 水に溶け、水溶液は強酸性を示す。
  • 金属と接触すると金属を腐食させ、硝酸塩を生じる。ただし、金、白金は除く。
  • 加熱または日光または金属粉との接触により、酸素と有害な二酸化窒素を発生する。
  • 二硫化炭素、アミン類、ヒドラジンと混合すると発火または爆発する。
  • 紙や木材など有機物と接触すると発火爆発の危険性がある。
  • 湿った空気中で発煙する。
  • 燃焼物に適応した消火剤を用いる。

硝酸は腐食性の強い有毒な強酸化剤で、色と接触をさける物質や発生物質を問われます。

ハロゲン間化合物

ハロゲン間化合物は、2種類のハロゲンが結合した化合物で、ハロゲンとは周期表第17族に属するふっ素塩素臭素などの元素の総称です。

  • ふっ化物は無色で揮発性の液体。
  • 強力な酸化剤。
  • 水と激しく反応するものが多い。
  • 可燃物有機物と接触すると、自然発火し爆発的に燃焼する。
  • 多数のふっ素原子を含むものほど反応性に富み、ほとんどの金属や非金属と反応し、ふっ化物を作る。
  • 粉末消火剤または乾燥砂で消化する。注水厳禁
三ふっ化臭素 BrF3 比重2.84

ハロゲン間化合物の性状に加え、空気中で発煙、低温で固化(融点が8.8℃)。

五ふっ化臭素 BrF5 比重2.46

ハロゲン間化合物の性状に加え、沸点が低く(沸点が41℃)気化しやすい、三ふっ化臭素より反応性に富む。

五ふっ化よう素 IF5 比重3.2

ハロゲン間化合物の性状に加え、強酸で腐食性が強くガラス容器を腐食させる。

第6類危険物のまとめ

  1. 不燃性で強力な酸化剤
  2. 比重が1より大きい
  3. 刺激臭があり、発煙硝酸以外は無色
  4. 水に溶けやすい(ハロゲン間化合物は除く)
  5. 水と反応して発熱するもの…過塩素酸、三ふっ化臭素、五ふっ化臭素
  6. 加熱により酸素を発生するもの…過酸化水素、硝酸、発煙硝酸
  7. 単独でも加熱、衝撃、摩擦により爆発するもの…過塩素酸、過酸化水素
  8. 水と反応してふっ化水素を発生するもの…三ふっ化臭素、五ふっ化臭素、五ふっ化よう素
  9. 容器に通気性を持たせるもの…過酸化水素

出題ポイント

一般的な性状と、各物質の性状、貯蔵、取扱い方法、有効な消火剤などについて問われます。何度も触れていますが注水について確実に覚えておきましょう。

まとめ

乙6類の危険物は6つしかありませんので、他の類と比べて少なく対策しやすく、はじめにチャレンジすることをおすすめします。これに合格すれば、その他の類では、受験科目から「法令」と「物理及び化学」を省略し「危険物の性質」のみで受験することができます。

ネットを使って情報を得たあとは、テキストや問題集を使用して勉強することをおすすめします。

参考に自身が使用したテキストを紹介します。

 

 

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