危険物取扱者試験 乙種第2類の出題のうち、重要と思うポイントをまとめていきます。
第2類はマッチなどの可燃性固体を取り扱うことができます。
第2類危険物に共通する特性
共通する性状
性質は可燃性の固体です。
- 比重は1より大きい。(水より重く沈む)。
- 水に溶けない。
- 燃焼すると有毒ガスを発生するものがある。
- 酸、アルカリに溶けて水素を発生するものがある。
- 微粉状のものは、空気中で粉じん爆発を起こしやすい。
- 酸化剤と混合すると、爆発することがある。
貯蔵および取扱い上の注意
- 火気、加熱を避ける。
- 酸化剤との接触や混合を避ける。
- 一般に、防湿に注意して容器は密封(密栓)する。
- 冷暗所に貯蔵する。
消火の方法
注水消火するものと、注水厳禁なものがあります。
間違えないよう必ず整理するようにしましょう。
- 注水消火するもの
赤りん(せきりん)、硫黄 - 注水厳禁なもの
硫化りん、鉄粉、アルミニウム粉、亜鉛粉、マグネシウム - 金属火災用粉末消火剤により消火するもの
鉄粉、アルミニウム粉、亜鉛粉、マグネシウム - 引火性固体は泡、二酸化炭素、ハロゲン化物、粉末消火剤で消火する。【重要】乾燥砂は第2類危険物の火災に有効ですが、引火性固体は除きます。
出題ポイント
性状について、粉じん爆発、有毒ガス、酸化剤混合による爆発は覚えておきます。
危険物の性状について選択肢のうち正しいものがいくつあるか、といった出題もされますので、他の性状と混乱しないように確認に覚えておきましょう。
また、水系の消火剤が有効なもの、乾燥砂が有効なものなども出題されます。
第2類危険物の品名ごとの特徴
全部で7種の品名に分かれます。基本的な内容は以下の通りです。
硫化りん
- 硫化りんは硫黄とりんが化合した物質です。
- 黄色の結晶で、水に溶けず二硫化炭素に溶けます。
- 水と反応すると可燃性で有毒な硫化水素を発生します。
色、貯蔵・取扱い方法、消火方法を問われますが、水は厳禁ということが頻出です。
赤りん
マッチや花火の材料として用いられています。ちなみに第3類危険物の黄りんとは同素体です。
マッチに使われているので自然発火はせず、注水により消火します。
硫黄
硫黄はすべての元素の中で最も多くの同素体を持つ物質です。
- 黄色の固体または粉末。
- 水に溶けない。
- 燃焼すると有毒な二酸化硫黄を発生する。
- 粉じん爆発の危険性がある。
- 摩擦等により静電気を生じやすい。
- 注水により消火する。
鉄粉
鉄の粉すべてが危険物ではなく、53μm(1000分の53mm)より小さな粒が50%以上あるものが対象です。粉じん爆発の危険性や、注水厳禁である消火方法が問われます。
金属粉
金属粉はアルカリ金属、アルカリ土類金属、鉄、マグネシウム以外の金属の粉を指します。ただし、銅粉、ニッケル粉、150μmより大きい(網ふるいを通過するものが50%以下)のものは除きます。
アルミニウム粉
- 水に溶けず、酸やアルカリに溶けて水素を発生する。
- 水と反応して水素を発生する。
- 貯蔵では水分やハロゲンとの接触を避ける。
- 乾燥砂か金属火災用粉末消火剤で消火し、注水は厳禁。
亜鉛粉
- 硫黄と混合加熱すると硫化亜鉛を生じる。
- アルミニウム粉より危険性は少ないが、性状、貯蔵、消火方法はアルミニウム粉と同じ。
マグネシウム
「粉」という記載はないですが、2mmの網ふるいを通過しない塊や棒状のものは危険物の対象から除きます。
- 水には溶けない。
- 冷水とは徐々に、熱水とは激しく反応して水素を発生させる。
- 空気中の水分と反応して自然発火する。
- 酸化剤と混合したものは加熱、衝撃により発火する。
- 乾燥砂か金属火災用粉末消火剤で消火し、注水は厳禁。
引火性固体
引火性固体は常温で可燃性蒸気を発生するので、引火危険性の高い物質です。固体アルコール、ゴムのり、ラッカーパテなどが該当します。
泡消火剤、二酸化炭素消火剤、ハロゲン化物消火剤、粉末消火剤などを用いて消火します。
第2類危険物のまとめ
- 比重が1より大きい(固体アルコール除く)
- 水に溶けない
- 水素を発生するもの…鉄粉、アルミニウム粉、亜鉛粉、マグネシウム
- 硫化水素を発生するもの…硫化りん
- 二酸化硫黄を発生するもの…硫黄、硫化りん
- 自然発火のおそれがある…赤りん、鉄粉、アルミニウム粉、亜鉛粉、マグネシウム
- 粉じん爆発のおそれがある…赤りん、硫黄、鉄粉、アルミニウム粉、亜鉛粉
- 消火方法 注水するものと注水厳禁なものを覚える
出題ポイント
一般的な性状と、各物質の性状、貯蔵、取扱い方法、有効な消火剤などについて問われます。何度も触れていますが注水について確実に覚えておきましょう。
まとめ
乙2類は品名としてりんや金属のため、全く知らない物質ではなく割とイメージしやすいと思います。性状や消火方法について共通する内容となる品名をまとめて覚えておくとよいと思います。
ネットを使って情報を得たあとは、テキストや問題集を使用して勉強することをおすすめします。
参考に自身が使用したテキストを紹介します。
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