機械設計技術者試験 3級を取得するには

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機械設計技術者試験 3級の攻略法を伝授します!

機械設計技術者試験とは

日本機械設計工業会が行っている機械設計技術者の技術力を認定している試験です。
試験は3級、2級、1級とあり、1級が最も難易度が高いです。国家資格ではありませんが、設計技術者からの認知度は高く、技術士取得を目指すためのステップとしても非常に有効です。

機械設計技術者試験 3級の概要

3級試験の概要

機械や装置の設計や製図等の業務を行える能力に達した技術者、または機械設計全般の基礎知識を習得した学生を対象とした試験です。学生でも受験できるというのがポイントです。機械系のメーカーなどに就職活動の際、資格を有しているとアピールすることができます。

【重要】直近の変更点

受験申請手続き方法が、令和3年度から変更になっており、受験申請時に顔写真(デジタルデータ)を用意することになっています。今までは受験票が申込者の手元に届いてから、さらに写真票提出が必要で手間がかかり、提出漏れによる受験できない事態があったためです。

受験資格

誰でも受けられます。 実務経験は必要ありませんので、繰り返しですが学生の方でも受験することができます。

試験日程

実施日 令和4年 11月20日(日)(2級、1級も同様)

◎受験申請受付期間(予定)
令和4年 7月20日(水)~ 9月30日(金)締切

◎入金期限
令和4年 10月7
日(金)締切

インターネットから出願と試験料の払込ができます。

 

受験料

受験料は 8,800円 です。

試験の形式

試験はマークシート方式です。

試験時間は1時限目が12:00~14:00、2時限目が14:20~16:20と各2時間ずつ、計4時間の試験です。

第1時限
12:00~14:00
機構学・機械要素設計、流体工学、工作法、機械製図
全科目マークシート方式
第2時限
14:20~16:20
材料力学、機械力学、熱工学、制御工学、工業材料
全科目マークシート方式

出題範囲

機械工学基礎として以下の10項目から出題されます。
機構学・機械要素設計、機械力学、制御工学、工業材料、材料力学、流体・熱工学、工作法、機械製図

試験レベル

(2/5)

社会人は勉強時間を確保する必要がありますが、しっかり対策をすれば十分合格することができます。学生で業務未経験でも一発合格可能です。

勉強時間

だいたい3ヶ月で200~300時間くらいを目安にすると良いと思います。具体的な方法については後述します。

勉強法

出題の内容を把握する

まずは過去問を用意して、問題の出題範囲と内容の把握を目的として一度解いてみます。このときは正解率や時間は全く気にする必要はありません。得意分野と不得意分野を把握出来たら、今後の勉強方針を決めていきましょう。

大きく分けて、暗記する科目と、計算式を使って解く科目に分かれます。暗記科目は、機構学、機械要素設計、工作法、機械製図、制御工学、工業材料が挙げられます。
計算などで解き方を考える科目は、機械力学、材料力学、流体工学、熱工学となります。

勉強の作戦を考える

次に勉強法ですが、まずは計算して解き方を覚える科目から手を付け、暗記科目は後回しにしたほうがよいです。
自分自身の経験から、考え方のプロセスが重要な科目や計算式を用いた科目は序盤に勉強を始め、用語を暗記する科目は全体像を整理することをすると効率的です。全体像を整理とは、参考書に付箋を貼るなど、ざっとボリューム感がわかる程度にします。
細かく暗記することをしても時間が経つにつれて忘れていってしまい、モチベーションが低下しやすいためです。記憶は反復すれば短期間で覚えられますが、さらっと読んだだけの短期記憶の状態では、24時間で74%を忘れるのだそうです。 先に暗記科目をやって、「いざ試験日直前に見直したら記憶に残っていない」と、諦めたい気持ちになります。極論ですが、暗記科目は一夜漬けだろうと試験当日に記憶に残ってさえいればいいのです。

得点源を狙う

ここからは、どうやって点数を稼ぐかについてです。どの科目もまんべんなくやろうとするのは非効率になります。そもそも試験に合格することが目的ですので、100点満点を目指す必要はありません。
点の取れる可能性の高い、つまりリスクを低減することが最も効果的で賢い勉強法になります。問題の難易度から分析して、最も点数を稼ぎやすい科目は機械製図です。次に材料力学、機械力学、 流体力学も狙い目です。流体力学は苦手な方がいるかもしれませんが、ベルヌーイの式を覚えておけば解ける問題が多いです。

一方で、制御工学や工業材料が苦手と感じる場合は、基本事項だけ覚える程度で、あまり深追いしないのも手です。これだけに限らず、各自が得意科目を2つ程度見つけて稼ぎ頭とし、反対に苦手科目が2、3個あっても深追いしないほうがいいということを覚えておいてください。

具体的な科目ごとの勉強法は以下の内容も参考にしてください。

機械設計技術者試験3級の出題ポイント
機械設計技術者試験 3級試験に出題される重要ポイントをお教えします。3級は出題範囲は広いですが、基礎知識を問われるため難しい勉強は必要ありません。しっかりと出題レベルにポイントを絞って対策をしましょう。

具体的な方法とは

やはり過去問を解くことが合格への近道になります。おすすめは過去問5年分を3回転することにより、合格率をかなり高めることができます。この場合ですと1科目あたり2時間×10科目×5年分×3回として、トータル300時間が必要ですが、実際は2回目以降は習熟度により200時間程度でも問題ないといえます。ただし、暗記問題は後回しにするほうが効率的に進みます。

 

 

おすすめの参考書

問題集

まずは過去問題集を用意しましょう。過去問と正答は過去の試験問題情報でも確認できますが、解き方の解説があったほうが良いかと思います。
紹介する問題集は1級から3級までの問題と解答を1年分まとめたものです。過去問対策として少なくとも直近3年分くらいは対策する必要があり、費用は掛かりますがいずれ2級にチャレンジするときにも役立てることができます。

  • 書籍名 : 令和3年版 機械設計技術者試験問題集
  • 発行元 : 株式会社日本理工出版会
  • 本体価格 : 2,970円(税込)
  • 書籍名 : 令和2年版 機械設計技術者試験問題集
  • 発行元 : 株式会社日本理工出版会
  • 本体価格 : 2,970円(税込)
  • 書籍名 : 令和元年版 機械設計技術者試験問題集
  • 発行元 : 株式会社日本理工出版会
  • 本体価格 : 2,970円(税込)

テキスト

これ1冊あれば、試験範囲の科目が一通り勉強できます。また、2級の試験でも使える内容です。
特にお金を掛けず、まずはこのテキストで勉強し、さらに科目ごとに参考書が必要な場合は以下を参考にしてください。

  • 書籍名 : 機械設計技術者試験準拠 機械設計技術者のための基礎知識
  • 発行元 : 株式会社日本理工出版会
  • 本体価格 : 3,960円(税込)

製図の参考書

製図関連でおすすめの参考書です。業務で製図を行う際にも役に立つ内容で、一生もので大切にしています。

製図の基礎知識を学ぶためにまず読んでほしい参考書です。

  • 書籍名 : 図面って、どない描くねん!第2版 現場設計者が教えるはじめての機械製図
  • 発行元 : 株式会社日刊工業新聞社
  • 本体価格 : 2,420円(税込)

 

本書は幾何公差を理解するためにぜひ活用したい参考書です。自身も幾何公差が全くわからない状態で読みましたが、とても読みやすく視覚的にも理解でき非常に役に立ちました。

  • 書籍名 : 図面って、どない描くねん! LEVEL2
  • 発行元 : 株式会社日刊工業新聞社
  • 本体価格 : 2,420円(税込)

【超重要】 試験攻略法 テスト当日のコツ

試験が始まったら、1問目から解き始めるのではなく、必ず全ページをざっと目を通し、どんな問題が出題されているかを確認しましょう。
次に、忘れないうちに主要な計算式を書き出しましょう。この方法は、さまざまな試験で実践しており、焦る気持ちを抑える効果もあります。


ここからは、計算科目の見直し時間も考慮して、時間が足りなくならないようペース配分に気をつけていきます。計算問題は(1)からの引き続きで、(4)まで連続する問題がありますが、途中で分からなくなったら、あまりこだわり過ぎずに次の問題に移りましょう。

試験の合格点は公表されていませんが、高くても6割くらいだと思います。ですので、満点を目指すわけでもなく、確実に点数の取れる問題をミスなく解答するようにしていきます。単純な計算間違いや、マークのミスなどの無いよう、最後の見直し時間は取るようにしましょう。

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