危険物取扱者試験 乙種1類の出題のうち、重要と思うポイントをまとめていきます。
1類は火薬などの酸化性固体を取り扱うことができます。
第1類危険物に共通する特性
共通する性状
性質は固体で不燃性です。主な性質と危険性は、
- 大部分は無色の結晶または白色の粉末。
- 不燃性の無機化合物。
- 酸素を含有している⇒酸化剤になる。
- アルカリ金属の過酸化物は水と反応すると発熱し酸素を発生する。
- 比重は1より大きい(水より重い)。
貯蔵および取扱い上の注意
- 加熱(火気)、衝撃、摩擦などを避ける。
- 酸化されやすい物質および強酸との接触を避ける。
- アルカリ金属の過酸化物は水との接触を避ける。
- 密閉して冷所に貯蔵する。
- 潮解(固体が湿気を吸って溶解すること)しやすいものは湿気に注意する。
消火の方法
酸化性物質により酸素が供給されるため、燃焼を抑制する必要があります。大量の水で冷却し、分解温度以下にします。
ただし、アルカリ金属の過酸化物は禁水なので、炭酸水素塩類の粉末消火器や乾燥砂を使用します。その後、まだ燃えていない周囲の可燃物に水を注水し延焼を防ぎます。
出題ポイント
火災予防上の注意事項は確実に覚えておきましょう。窒素との接触の可否など問われます。
第1類危険物の品名ごとの特徴
品名として○○類と分類され、さらに物質名とその特徴を覚えておきましょう。
塩素酸塩類
塩素酸塩類は、塩素酸の水素Hが金属または他の陽イオンと置換した化合物である。
比重は1より大きく、不燃性である。
各危険物の特徴として、水やアルコールに溶けるかどうか問われます。
過塩素酸塩類
過塩素酸塩類は、過塩素酸の水素Hが金属または他の陽イオンと置換した化合物である。
比重は1より大きく、不燃性であるなど、特徴は塩素酸塩類と同じだが、常温では塩素酸塩類より安定している。強酸化剤だが、塩素酸塩類よりはやや弱い。
無機過酸化物
比重は1より大きく、不燃性で加熱や衝撃に加えて、水とも作用して発熱し分解して酸素を発生する。そのため、水との接触を避ける必要がある。
アルカリ金属やアルカリ土類金属は消火の際に注水を避け、炭酸水素塩類の粉末消火器や乾燥砂を用いる。
亜塩素酸塩類
代表的な物質として亜塩素酸ナトリウムがあり、吸湿性がある、燃焼時に有毒ガスを発生する、直射日光や紫外線で徐々に分解するなどの特徴がある。
臭素酸塩類
臭素酸のHが金属または他の陽イオンと結合した化合物である。
臭素酸カリウムの特徴を代表して覚えておきましょう。
硝酸塩類
硝酸塩類は硝酸のHが金属または他の陽イオンと置換した化合物である。
消火方法は大量の水で消火する。
黒色火薬の原料である硝酸カリウムや、硝酸とアンモニアの塩であり、工業的にも硝酸とアンモニアを直接反応させて製造する硝酸アンモニウムなどがある。
よう素酸塩類
よう素酸塩類はよう素酸のHが金属または他の陽イオンと置換した化合物で、塩素酸塩類や臭素酸塩類より安定した化合物である。
よう素酸カリウムとよう素酸ナトリウムは、エタノールには溶けないという同じ特徴を持っている。
過マンガン酸塩類
過マンガン酸塩類は過マンガン酸のHが金属または他の陽イオンと置換した化合物である。
過マンガン酸カリウムと過マンガン酸ナトリウムの特徴を覚えておきましょう。
重クロム酸塩類
重クロム酸塩類は重クロム酸のHが金属または他の陽イオンと置換した化合物である。
重クロム酸カリウムや重クロムアンモニウムの特徴を覚えておきましょう。両者とも毒性が強い物質です。アルコールに溶けるどうかも押さえておきましょう。
その他のもの
その他の政令で定めるもののうち、主な物質として三酸化クロム、二酸化鉛、次亜塩素酸カルシウム三水塩がある。
第1類危険物のまとめ
- 不燃性で強力な酸化剤
- 比重が1より大きい
- ほとんどのものは水溶性
- エタノールに溶けるものを覚える
- 無機過酸化物は水と反応し酸素を発生する
- 加熱すると酸素を発生する
- 潮解性があるものを覚える
出題ポイント
一般的な性状と、各物質の性状、貯蔵、取扱い方法、有効な消火剤などについて問われます。次のうち誤っているものを選ぶ場合、正しいものと早とちりしないように気をつけましょう。
まとめ
乙1類は出題範囲は比較的狭いものの、似たような名前が多く覚えるのに苦労します。また特徴が正反対(例えばアルコールに溶けるかどうか)なものはひっかけ問題に頻出です。1~2週間程度の期間で繰り返し覚えるようにしましょう。
ネットを使って情報を得たあとは、テキストや問題集を使用して勉強することをおすすめします。
参考に自身が使用したテキストを紹介します。
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